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書籍情報
Robert.J.Urick 著
三好章夫 訳
新家富雄 監修,発行
ISBN:978-4-903473-91-8
価格:6,000円(税抜)
内容
水中音響工学の教科書的存在として知られている「Principles of Underwater Sound」は,1967年が初版であり,水中音響に関する豊富なデータと多数の参考文献が掲載されている名著として知られている。原著は1975年に改訂版が出版され,その翻訳本が「水中音響の原理」(土屋明訳,西村実監修)として1978年に共立出版(株)から出版されたが,それから30年近くを経ている。その後,1983年に第3版が出版され,第2版からは随所に加筆訂正がなされた。殊に第5, 6, 7章には大幅な改訂が加えられ,新しい図表が29点,参考文献も93件が追加掲載されている。本書はこの第3版の翻訳本である。因みに第2版から第3版で増補された箇所については,本書中にイタリック文字で記述している。また水中音響学に関する専門用語は,海洋音響学会が編集した「海洋音響用語辞典」(1999年)と「海洋音響の基礎と応用」(2004,成山堂)に準じている。
本書は,技術者ならびに実践的科学者の視点から水中音響学の原理をまとめたものである。一方には理論をそして他方にはソーナー工学を位置づけ,そのちょうど中間に焦点を絞り,水中音響学の原理,効果ならびに現象を要約して記述している。さらに,どのような場合においても実際的な問題が解けるよう,できるだけ多くの数値データを掲載している。
本書ではソーナー方程式を中心に記述し,水中音響学に必要なすべての要素とともにその相互関係を簡潔に整理して示している。序章に引き続き,ごく簡単なソーナー方程式について解説し,さらにそれに続く各章で,方程式中の各項について順次述べていく。最終章では,問題の解法について具体的に述べる。すなわち,多くの実際的な問題からとった例題にしたがってソーナー方程式の使い方を説明している。水中音響学を学ぶ学生・研究者・技術者には,手元に置いて頂きたい一冊である。
目次
第1章 ソーナーの特徴
第2章 ソーナー方程式
第3章 送受波器アレイの特性:指向性利得
第4章 水中における音波の発生:送波音源レベル
第5章 海洋における音波伝搬:伝搬損失?
第6章 海洋における音波伝搬:伝搬損失?
第7章 海洋における背景雑音:周囲雑音レベル
第8章 海洋における散乱:残響レベル
第9章 ソーナーターゲットによる反射と散乱
第10章 船舶、潜水艦および魚雷の放射雑音:放射雑音レベル
第11章 水上艦船・潜水艦および魚雷の自己雑音
第12章 雑音ならびに残響中の信号検出:検出閾値
第13章 ソーナーシステムの設計と予測