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Advanced Marine Science
and Technology Society

堀田記念奨励賞設立のお知らせ 


趣旨

 海洋理工学会元会長(海洋科学技術センター元理事)堀田 宏博士は、去る平成14年12月30日に脳出血のため満66歳で急逝されました。故堀田 宏博士は、北海道大学理学部および理化学研究所を経て、昭和47年10月からご逝去されるまでの30年にわたって、海洋科学技術センターに在籍され、深海調査研究や、米仏等の主要海洋研究機関との共同研究の立ち上げにご尽力されました。自らも、昭和58年日本海中部地震震源域の調査や、三陸沖日本海溝海側斜面の潜航調査を実施し、多くの研究成果を挙げられました。科学の研究のみならず、新たな観測手法や技術開発にも強い関心を持ち、常に理学と工学の接点を求めておられました。本学会の発足にあたっては中心人物の一人として学会の組織化にご尽力いただき、発足当初より副会長、会長、評議員として常に主導的な立場でご活躍いただきました。
 海洋理工学会では、この度のご逝去に当たり、本学会の振興と、特に故堀田 宏博士が学会運営に当たり献身的に推進して下さいました若手研究者の育成を目的として、以下の通り堀田記念奨励賞を設立いたしました。

堀田記念奨励賞 基金

本賞の設立に当たり、故堀田 宏前会長令夫人堀田紀美子様より、金200万円 のご寄付をいただきました。学会では堀田記念奨励賞基金として専用口座を開設し、受賞者へ贈呈する賞牌(記念メダル)の作製と副賞として贈る研究奨励金(50,000円/件)の資金として運用させていただきます。

堀田記念奨励賞 規約

  1. 本学会元会長、故堀田 宏博士の業績を記念して、海洋に関わる理学研究と工学研究の発展を図るため、堀田記念奨励賞を設ける。
  2. 本記念賞は、本学会に属し、理学または工学において顕著な成果を挙げた39歳以下の若手研究者1名に、年1回の賞および奨励金を授与する。
  3. 本記念賞は、本人の申告または第3者の推薦により、本学会幹事会が選考し、会長が決定する。
  4. 本記念賞は、平成15年度から施行する。

故堀田 宏博士のご経歴

ご経歴

1936年7月24日
札幌にて出生
1955年3月
北海道立札幌西高等学校卒業
1959年3月
北海道大学理学部地球物理学科卒業
1961年3月
北海道大学大学院理学研究科修士課程(地球物理学専攻)修了
1961年12月
北海道大学助手
1965年
第7次南極地域観測隊隊員(「宗谷」船上研究)
1969年3月
理学博士(北海道大学
1970年5月
理化学研究所研究員(海洋計測工学研究室)
1972年11月
海洋科学技術センター海洋理学部 海洋物理学研究室長
1982年
 同     深海開発技術部 深海研究運航室長
1985年
 同     深海研究部長
1993年2月
産業技術審議会専門委員
1995年
海洋科学技術センター 研究顧問(常勤)
1995年
海洋科学技術センター 特任参事
1997年
海洋科学技術センター 理事(研究担当)
2000年
地球観測フロンティア研究システム長
研究顧問(非常勤)
2001年12月
総合地球環境学研究所評議員
2002年
研究顧問(非常勤)
2002年12月30日
死去 (享年66歳)

海洋理工学会での役職

1994年
海洋理工学会発足
1994年
副会長(〜1997年)
1997年
会長 (〜1998年)
1998年
評議員(〜2002年)

業績

  1. 受託研究「低レベル放射性廃棄物の海洋投棄に関わるモニタリング技術の開発」および、「同 追跡調査技術の開発」を通じて、わが国で初めて、深海曳航体(ディープ・トウ)による水深6000mの海底調査技術を確立した(1973〜1987年)。
  2. 「しんかい2000」および「しんかい6500」による深海調査研究の礎を築き、「しんかいシンポジウム」や「JAMSTEC深海研究」として成果の普及に努めた(1982〜1995)。
  3. 自らも研究者として、ディープ・トウにより昭和58年日本海中部地震震源域調査を行い、世界で初めて、海底地震による地割れ等を3000mの深海で発見した(1983年)。
  4. 同じく「しんかい6500」により三陸沖日本海溝海側斜面の調査を行い、水深6200mの海底で大規模な地割れを発見した(1991年)。
  5. センター初の国際共同研究「インド洋・太平洋」(振興調整費)を立ち上げ、国内研究機関およびオーストラリア、ニュージーランド、トンガ、フィジー、インドネシアの研究者との交流を深めた。
  6. 日仏共同研究「STARMER計画」を立ち上げ、わが国初の熱水活動の発見となった北フィジー海盆の調査を導いた(1986〜1991)。これによって、フランスIFREMERとの強力な絆ができた。
  7. 米国ウッズホール海洋研究所との共同研究を立ち上げ、MODE94およびMODE98による大西洋中央海嶺および東太平洋海嶺の調査を導いた。
  8. 1997年1月、日本海で沈没したロシアタンカー「ナホトカ号」の捜索を現場指揮し、ディープ・トウと「ドルフィン-3K」による船体の発見および船名の確認に成功した。
  9. 1997年12月、先の大戦で米潜水艦の雷撃により沈没した学童疎開船「對馬丸」の捜索を指揮し、「かいこう」および「ドルフィン-3K」による船体の発見に成功した。
  10. UJNR(日米天然資源)深海調査パネルを永年勤め、日米の研究および技術交流を促進した。
  11. 国の主催する多くの委員会の委員として、深海に関する豊富な知識を活かし、大きな貢献を果たした。
  12. 水中音響による海底地形調査手法の開発に尽力し、海洋音響技術に関する優れた業績を挙げたことに対して、海洋音響研究会会長から表彰された(1985年5月)。
  13. 「ナホトカ号」捜索に対する大臣表彰(1997年3月)
  14. 「ナホトカ号」捜索および「對馬丸」捜索に対する大臣表彰(1998年)

海洋理工学会

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