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Advanced Marine Science
and Technology Society

業績賞 


令和6年度業績賞 令和6年10月31日表彰

業績

地球環境変動予測に貢献した故・鈴木直弥氏の研究業績

受賞者

鈴木直弥氏

業績の大要

鈴木直弥氏は、東海大学海洋学部海洋工学科を卒業後、東海大学大学院海洋学研究科修士課程、千葉大学大学院自然科学研究科博士課程を修了した後、千葉大学、マイアミ大学、東海大学、京都大学を経て近畿大学理工学部に講師として採用され、その後准教授、教授へと昇任しました。近畿大学では、流体工学的な手法を用いて、人類の活動に関わる地球環境変化や、その基礎となる気候システムの変動・変化を正確に予測する際に、もっとも基本的かつ重要な要素である 大気−海洋間の運動量・熱・物質の輸送機構の解明と輸送量の正確な評価を行うことを目的として研究を推進してきました。 具体的には、海洋表層の流れ、風波、砕波、気泡生成などの気液二相流からなる海面境界過程の解明に取り組みました。特に、既往研究の大半は、シミュレーション手法の精度と時空間分解能の向上をめざした数値的研究であったのに対し、大気−海洋間の運動量・熱・物質輸送に関する海面境界過程の詳細なメカニズムに注目し、運動量・熱・物質輸送の基礎的なメカニズムの解明と数値モデル化を、実験と数値計算の両面から行いました。また、構築したモデルに人工衛星データを入力することで全球規模での大気−海洋間の運動量・熱・物質の輸送量の評価も行いました。平成28年夏には研究室において室内実験装置を導入し、現場海洋観測・室内実験・数値計算の三位一体の研究に取り組むなど多様な視点から研究を推進してきました。 対外的な成果の発表・報告にも積極的に取組んでおり、57本の査読付き論文の投稿(共著・連名を含む)、93件の講演・口頭発表を行っています。海洋理工学会においても、海洋理工学会誌への積極的な投稿(7本)および指導学生による大会一般講演での積極的な発表(6件、うち1件が優秀発表者賞受賞)を行っています。また、令和4年から海洋理工学会理事を務めました。 このような理由から、令和5年12月15日に49歳という若さで急逝され、故人ではありますが、生前の業績を鑑み、海洋理工学会業績賞に鈴木直弥氏を推薦いたしました。

令和5年度業績賞

業績

バイオテレメトリ―・バイオロギング技術を用いた水圏動物の個体群レベルモニタリング手法の開発と適用

受賞者

京都大学農学研究科応用生物科学専攻 フィールド科学教育研究センター 三田村啓理氏

業績の大要

三田村啓理氏は、複数の国内外の機関や企業等と連携して、バイオテレメトリー・バイオロギング技術ならびに海洋音響計測技術等の高度化を目指しつつ、開発した技術を水圏動物(魚介類、は虫両生類、鳥類等)に適用して行動・生態に関する研究を積極的に展開してきた。近年は、個体レベルではなく、従来困難とされた群れ、個体群レベルで行動をモニタリングできる技術の開発に成功した。その開発した技術によって、クロマグロ等の高度回遊性魚類の移動や群れ行動、また絶滅が危惧される東南アジアに生息するメコンオオナマズの移動・行動や生残等を世界に先駆けて研究している。これらの技術基盤を構築した意義は極めて大きく、一連の成果は海洋理工学、水産学、水中音響学、海洋学等の幅広い研究分野の発展に多大に貢献するものである。

令和2年度業績賞 

業績

地球環境問題への貢献

受賞者

日本エヌ・ユー・エス株式会社

業績の大要

日本エヌ・ユー・エス株式会社は1971年会社設立以来、「環境」、「エネルギー・資源」、「社会科学」の分野で高度なコンサルタント能力を活かし、持続可能な社会、豊かで安心できる未来社会の構築に貢献してきた。 環境分野においては問題となる事象に広く対応し、とりわけ近年の地球環境問題については、率先して社会のニーズに答えている。海洋投棄問題に関しては、過去20年以上に渡ってロンドン条約と96年議定書の国際会議に参加し、海洋環境保全の国際的な動向を調査・分析するとともに、国内法令(海洋汚染防止法等)における政策立案支援を行っている。また、海洋ごみ問題に関しては、10年以上前に漂着・漂着物の実態把握調査を始めており、その後は海岸漂着物処理推進法に基づいた漂着ごみの回収・処理・再資源化、発生抑制のための環境教育・普及啓発等、環境省・地方自治体と共に対策に取り組んでいる。

令和元年度業績賞 令和元年5月30日表彰

業績

深海底調査無人化への挑戦(Shell Ocean Discovery XPRIZEへの挑戦)

受賞者

Team KUROSHIO

業績の大要

海洋、特に外洋や深海は、厳しい自然条件や高水圧により、人間のアクセスが困難な環境である。最近の技術の進歩によって、これらの環境を、無人技術によって克服する試みが行われている。古くは、係留ブイによる海洋観測があり、米国NOAAのTAOブイや、JAMSTECのTRITONブイ等、永年の実績がある。しかし、ブイの設置回収に伴う船舶運用コストが、ブイの運用を圧迫している。これに対して、ARGO Float、Deep Ninja、GLIDER、Wave Glider等、漂流または自立式の無人観測システムが、最近の主流となりつつある。更に、AUVやASVによる無人観測技術も、急速に進歩している。即ち、海洋観測の無人化は、世界の潮流となっているが、我が国はその意識に乏しく、大きく出遅れている。その様な中で、国際コンペティションShell Ocean Discovery XPRIZEが公募され、日本から産官学の共同チームTeam KUROSHIOが挑戦した。本コンペティションは、石油業界大手のRoyal Dutch Shell plc(ロイヤル・ダッチ・シェル)がメインスポンサーとなり、米国の非営利組織であるXPRIZE財団が主催するものである。そのミッションは、深海底調査の完全無人化を目指し、有人支援母船を使用せず、無人探査ロボットのみを使って深海底を超高速かつ超広域に探査し、海底地形図を作成することである。2015年12月に本コンペティションの開催が公表された後、共同代表を務めることとなる4名の若手研究者が参加を決意し、国立研究開発法人、大学、企業等8機関の若手研究者・技術者、総勢30名以上によるTeam KUROSHIOが結成された。組織の枠組みにとらわれない編成は国内でも例を見ない試みである。そして、各組織の所有する機材やノウハウ等を最大限に活用するとともに、無人AUV展開回収技術をはじめとする要素技術を開発し、実海域での競技に向けて短期間でのシステム開発を成功させた。本コンペティションには世界各国から32チームがエントリーした。Team KUROSHIOは第1関門の技術提案書レビュー(21チーム通過)、第2関門のRound1技術評価試験(9チーム通過)を突破して、2018年12月に最終ステージであるRound2実海域競技をギリシャ共和国カラマタ沖の地中海において実施した。Team KUROSHIOは、本コンペティションへの挑戦を通して、「One Click Ocean」という海洋探査の将来ビジョンを示し、世界に先駆けて革新的な技術開発を進め、着実に成果を残した。その技術開発、ならびに我が国の海洋ロボティクス関連技術の高さを国内外に示した業績は著しい。また、数多くの広報イベントやSNSを通じた積極的な情報発信、ならびに、クラウドファンディングを用いた必要資金の調達などにも取り組むなど、これまで海洋調査に馴染みがなかった一般の人々も巻き込んだ形でコミュニティを拡げた点も高く評価される。これらの業績は、海洋立国を目指す我が国の海洋理工学の発展に大きく寄与すると考えられる。

平成30年度業績賞 平成30年6月8日表彰

業績

海洋環境動態評価に関する測定手法の国際標準化への貢献

受賞者

国立研究開発法人 産業総合技術研究所 環境管理研究部門海洋環境動態評価研究グループ
(原田 晃 *、山下信義、鶴島修夫、谷保佐知) * 現産総研名誉リサーチャー

業績の大要

産業技術総合研究所環境管理研究部門海洋環境動態評価研究グループは、海洋環境評価に関する測定手法の標準化活動を推進してきた。内分泌かく乱物質である残留性有機フッ素化合物PFOS/PFOA について高感度・高精度な測定手法を開発し、極めて微量な海水中濃度の定量に成功した。この測定法を元に国際標準化提案を行い、2009 年に国際規格ISO25101 が発行された。国際的な規制のあり方を議論するための基盤的なデータの集積に大きく寄与した。測定法の国際的な普及活動に貢献(70 名の国外留学生・技術研修生を受け入れ)するとともに、ダイオキシン(ISO 18073)やノニルフェノール(ISO24293)の分析手法の国際規格化についてもコンビナー補佐他の立場で主導的に推進した。また、全球的な二酸化炭素の収支を見積もる上で海洋における炭酸系諸量の観測の拡充が必須であることから、これらの測定手法の標準化を推進した。国際相互検定の実施などを通じて測定手法の高度化について検討を進め、海水のアルカリ度について、精度0.1%での測定が可能な手法の国際標準化を提案、2008 年に国際規格ISO22719 として発行された。さらに、小数点以下3 桁の精度・正確さでの測定が可能な比色法によるpH 測定法について、国内外の研究機関とともに検討を行い、2015 年に国際規格ISO18191 として発行された。海洋炭酸系データの集積に寄与するだけでなく、各種環境影響モニタリングデータの正確性を確保するためにも重要な役割を果たすものである。これらの業績は海洋理工学の発展に大きく寄与する。

平成29年度業績賞 (この年より表彰年度を変更しました) 平成29年6月9日表彰

業績

栄養塩測定用海水標準物質の普及と高精度調査発展への貢献

受賞者

株式会社環境総合テクノス

業績の大要

株式会社環境総合テクノスは1974年に設立され、関西地域の火力・原子力発電所の環境アセスメント業務を行ない、発電所温排水の周辺海域への影響調査、予測を行ってきた。これら業務の一方で、1990年の通商産業省(現 経済産業省)事業「西部北太平洋域における海洋中の炭素循環メカニズム調査研究(NOPACCS)」の受託をきっかけに、民間企業では例の少ない外洋域での高精度観測を実施しこの分野における観測技術の発展に貢献してきた。同じく、1993年より海洋科学技術センター(現 海洋研究開発機構 JAMSTEC)受託事業として、世界海洋循環実験計画(WOCE)航海にも参加、それら国際的な事業に参加する中で栄養塩測定用海水標準物質を開発、現在も継続的に製造しており、世界の栄養塩データの比較可能性の向上に多大な貢献をしている。 海水中の硝酸塩、燐酸塩等の栄養塩は比色法により分析されるが、値付けの基準とする標準液等が原因による系統的誤差が分析機関の違いにより生じるため、世界中の観測データを直接比較することが難しい。それを可能にするためには既知濃度の海水を同時に分析しその差を明らかにする必要があるが、多種類の濃度の海水が必要であること、長期間濃度を維持することが難しい等の理由から人工海水と試薬を使って標準液が製造されていた。しかし、人工海水で製造した標準液は発色が天然海水に比べ異なるためあまり有効ではなかった。 環境総合テクノスでは、NOPACCS等長期海洋観測で培った経験から、栄養塩分析値の不確かさを小さくするため、栄養塩濃度の均質性と安定性に優れた天然海水を用いた標準物質の製造開発に成功した。そしてこの栄養塩測定用海水標準物質の高い安定性が評価され、国際協同実験に使われるようになり、2010年GO-SHIP(The Global Ocean Ship-based Hydrographic Investigations Program)分析マニュアルに掲載された。さらに2017年には、IOCCP(International Ocean Carbon Coordination Project:国際海洋炭素コーディネーションプロジェクト)において海洋観測での使用が勧告された。 このように栄養塩測定用海水標準物質を普及させデータの比較可能性を向上させたこと、さらに高精度な海洋観測を経済産業省、文部科学省、環境省、気象庁等の国家的事業に展開・普及させて国際的なレベルの精度を確立したこと、民間企業の実施する海洋調査の精度向上に多大に貢献してきた業績から環境総合テクノスは、海洋理工学会の業績賞に値する。

平成27年度業績賞 平成28年5月27日表彰

業績

環境影響評価技術の発展への貢献

受賞者

いであ株式会社

業績の大要

いであ株式会社は1968年会社設立以来現在まで、全国の公共用水域で海域における水質調査を皮切りに、空港・港湾・電力立地に伴う大規模なアセスメント調査,それに伴う多種多様な理化学分析や様々なニ−ズ適合した実験等を実施し、近年では環境ホルモン・ダイオキシン類の微量物質調査等の生物毒性試験や食品安全性分析も行っている。 また、環境影響評価技術では、さまざまな分野で環境に配慮した現象予測の数多い実績がある。最新の科学的な知見に基づいた客観的かつ精度の高い評価を行い、近年では各研究機関や研究者と連携して生物生活史・生息環境・干潟生態系の解析モデル群を構築し、複雑な生物環境・生態系の解析・評価にも取り組んでいる。 さらに、近年地球温暖化に代表される環境問題がクロ−ズアップされ、豊かな環境の恵みを守り将来の世代に引き継ぐために人と自然が調和した良好な環境の創造が求められている中で、海域における生物生息空間の保全・再生を目指す自然再生事業を推進している。全国の海域で藻場・干潟の復元・再生計画や現場海域での事業を実施し、事業後の順応的管理のためのモニタリング調査で事業の評価・検討を行っている。沖縄県においてはサンゴ礁の修復・再生を目指し、開発した着床具を用いた移植試験や白化した海域での再生事業に取り組み成果をあげている。 以上のようにいであ株式会社は、海域における社会基盤整備・環境保全のコンサルタント事業における企画、調査、分析、予測評価、維持管理分野を発展させ、海洋・水産学・海洋理工学など幅広い分野で研究・開発に多大に貢献してきた。

平成26年度業績賞 平成27年5月26日表彰

業績

海洋調査機器の開発と製作による海洋研究開発の発展への貢献

受賞者

株式会社ゼニライトブイ

業績の大要

 株式会社ゼニライトブイは創業以来一貫して海洋向けブイ及び灯火の製作を行ってきた。 また、ブイ本体だけではなく国内外の多方面にわたる様々な機能を付加した特殊ブイの開発も行っている。 近年の例を挙げると衛星通信対応型漂流ブイ、GPS単独測位方式波浪観測ブイ、新型航路標識用AIS装置、簡易水温モニタリングシステム、海象気象観測ブイ、海上捜索用投下標識レスキューブイ、スパーブイ等の開発、環境再生プロジェクトの一環として伊勢湾環境モニタリングシステム、大阪湾水質定点自動観測システム等々長年にわたるブイの製作、設置、及び灯火システムの技術ノウハウを生かした海洋観測システムの開発を行ってきた。 これらの観測ブイ及びシステムのユーザーは主に官公庁、研究機関、大学等公的な機関が中心であり我が国の海洋研究開発の発展に多大に寄与してきた。

平成25年度業績賞 平成26年5月24日表彰

業績

水中音響機器の技術開発と製品開発

受賞者

新家富雄氏

業績の大要

 新家氏は、沖電気、JAMSTEC、インテック、アクアサウンド在籍中に、常に水中音響機器の技術開発に取り組み、社会に有用な製品開発を行って来た。これらの技術及び製品は、国内外を問わず、取り組みすらされていなかったものが多く、研究者に取っては開発が望まれていた。
  昨今、水中音響技術を用いた水圏生物の行動や生態に関する研究が世界中で盛んに行われている。例えば、魚類を対象とした音響バイオテレメトリーや海産哺乳類(ジュゴンや鯨類など)を対象とした受動的音響モニタリングが挙げられる。前者においては、高周波モニタリング可能なステレオ式超音波受信機の開発に成功して、世界に類を見ない水平測位精度(約0.2m)を達成した。これにより世界に先駆けて魚類の群れをモニタリングする技術を開発した。後者においては、ジュゴンや鯨類の分布や到来時刻などを数週間から1年にもわたりモニタリング可能な受動的音響モニタリングシステムを提供した。
  新家富雄氏は、海洋理工学、水中音響学、海洋学、水産学など幅広い研究分野の発展に多大に貢献して来た。

平成24年度業績賞 平成25年5月17日表彰

業績

海洋中の塩分濃度計測に対する業績

受賞者

河野健氏(独立行政法人海洋研究開発機構) 

業績の大要

 海水の塩分を正確に測定する手順を世界的に確立と、2010年から使用が奨励されることになった新たな塩分と海水の状態方程式の啓蒙において、河野 健氏のグループの果たした業績は、日本国内のみならず世界の海洋研究、海洋観測の中で燦然と輝くものである。

平成22年度業績賞 平成23年5月13日表彰

業績

深海巡航探査機「うらしま」の実用化

受賞者

独立行政法人海洋研究開発機構・海洋工学センター・運航管理部・探査機運用グループ(代表:月岡 哲)

業績の大要

 受賞者らは技術試験機として建造された深海巡航探査機「うらしま」(以下、AUVと称す)を改造し、初の国産実用探査機として、自律航行、音響探査および運用の基本技術を完成させ、公募対象機器として2009年度(平成21年度)から外部に公開した。従来の探査手法では困難であった深海の泥火山や熱水噴出域における微細地形探査と活動状況調査をAUVによって初めて明らかにした。また、膨大な取得データの処理を船上で即日に実施するための処理技術を確立し、AUVによる調査効率を高めた。これらの成果は海洋理工学の発展に多大な貢献を果たした。

平成21年度業績賞 平成22年5月21日表彰

業績

海洋情報モニタリングシステム ー Sea Mailer System ー

受賞者

有限会社リーフ

業績の大要

 テレメトリシステムをベースとした、柔軟性の高い、使いやすい、海洋環境モニタリングシステムである。計測機器、通信機、GPS、電源、格納ケース、受信ソフトウェア等モニタリングに必要となる全機能が運用形態に合わせてカスタマイズ・組み合せ可能となっており、観測計画に最適なテレメトリシステムが構築できる。データは電子メールにて指定アドレスに配信され、専用ソフトウェアを用いてデータ解析も可能であり、海洋環境の監視や研究用としても非常に有効である。2008-2009年の販売実績は、海洋関係の公的機関、企業、大学等において30余りである。本システムは海洋理工学の研究・発展に大きく寄与するものである。

平成20年度業績賞 平成21年5月15日表彰

業績

海底地震計OBSの高効率設置回収事業

受賞者

海洋科学部MCS/OBSグループ(日本海洋事業株式会社)

業績の大要

日本海洋事業株式会社は、平成9年から深海調査研究船「かいれい」搭載の大容量エアガン・長大ハイドロフォンストリーマーからなるマルチチャンネル反射法探査システム(MCS)の運用を、平成11年には海洋調査船「かいよう」搭載のMCS運用、同時に海底地震計(OBS)100台の運用をJAMSTEC(海洋科学技術センター、現独立行政法人海洋研究開発機構)から委託され、JAMSTECの研究者の指導のもと、これらの観測システムを駆使し、三宅島噴火(平成12年)、十勝沖地震(平成15年)、中越沖地震(平成19年)に際しての緊急調査、東南海・南海地震調査(平成15年〜19年)等を実施してきた。これらの調査では震源の同定、震源域の地殻構造を明らかにするための基本的なデータを提供して高い評価を得た。また、平成20年から始まった「東海・東南海・南海地震の連動性評価研究」に関する調査にも参画している。国連「大陸棚の限界に関する委員会」への我が国の大陸棚の限界に関する申請(平成20年11月12日)に際して科学的根拠となった大陸棚調査(海上保安庁、JAMSTECが取組)においてもJAMSTECの委託を受け、平成16年から5カ年にわたり伊豆・小笠原海域において「かいよう」・「かいれい」搭載のMCSによる反射法、および110台程度のOBSを5km毎に並べた長距離測線上での屈折法により海底下20kmから30kmの地殻構造を明らかにするための基本的データを取得してきた。これらのデータをもとに、伊豆・小笠原海域における海洋地殻と非海洋性地殻の境界についての新たな知見がJAMSTEC研究者により明らかにされた。このように、日本海洋事業(株)は長年にわたり、「かいよう」・「かいれい」でのMCS、OBSの運用において、観測技術員および調査船乗組員が一体となり、卓抜した技術を基にそれらの機器の整備、改良、観測を実施し、種々のトラブルを克服しながら貴重な成果のもととなるデータを産み出しており、海洋地殻構造調査の分野への貢献は極めて大きい。



業績

沿岸生態リスク評価モデルの開発と無償配布

受賞者

沿岸生態リスク評価モデル開発チーム
(堀口文男氏(独立行政法人 産業技術総合研究所)・中田喜三郎氏(東海大学海洋学部)・桃井幹夫氏(株式会社 中電シーティーアイ)・市川哲也氏、江里口知己氏(株式会社サイエンスアンドテクノロジー))

業績の大要

本モデルは3次元流動モデル及び生態系モデルの結果をデータベースとし化学物質運命予測モデルを用い、海域の有害化学物質の環境水中濃度を高分解能・高精度で予測し生態リスク評価が行えるものである。従来、これらのモデルは大型計算機やワークステーション等で用いられ一般的ではなかった。さらに、複雑なモデルパラメータ等の設定があるため、研究者や専門家だけがユーザーとなっていた。公開されているモデルは、GUIやC++を駆使し、Windows上で簡単な操作で運用できる様になっている。さらに、産総研のホームページで公開され、無償で配布されている。現在、大学、専門学校、研究所、自治体、企業等(230余)がユーザーとなっており、海域の生態リスク評価、環境教育・研究、行政など幅広く利用されている。これらの成果は社会への還元は勿論、海洋理工学の発展にも大きく寄与する。

本件に関する論文および書籍: (P1) 堀口文男、山本譲司、中田喜三郎、桃井幹夫:東京湾における化学物 質の簡易環境濃度予測システム(Windows版)の開発、海洋理工学会誌 Vol. 8, Nos.2, pp. 99-107, 2003 (P2) Horiguchi, F., N. Ito, K. Okawa, T. Ichikawa and K. Nakata : Risk Assessment of TBT using Japanese Short-neck Clams (Ruditapes philippinarum) of Tokyo Bay、海洋理工学会誌 Vol. 10, No.1, pp. 1-15, 2004 (P3) 山本 譲司、堀口文男、中田 喜三郎、中西 準子:東京湾における生 態リスク評価モデルの開発?Windows Version 1.1?、海洋理工学会誌 Vol.11, No. 1, pp. 45-51, 2005. (P4) 山本 譲司、中田 喜三郎、堀口文男:東京湾におけるTBT底泥蓄積モ デルの開発、海洋理工学会誌Vol.11, No. 1, pp. 35-44, 2005. (P5) Horiguchi, F., J. Yamamoto and K. Nakata :Model Study of Environmental Concentrations of TBT in Tokyo Bay - Development of a Windows Version Prototype - , Environmental Modeling and Software, Elsevier.Vol. 21, Issue 2, pp. 229-233, 2006. (P6) Horiguchi, F., K. Nakata, N. Ito and K. Okawa :Risk Assessment of TBT in the Japanese short-neck clam (Ruditapes philippinarum) of Tokyo Bay using a chemical fate model, Estuarine, Coastal and Shelf Science, Elsevier.Vol. 70, Issue 4, pp. 589-598, 2006. (P7) Kobayashi, N., T. Eriguchi, K. Nakata, S. Masunaga, F. Horiguchi, J. Nakanishi :Application of a 3-D chemical fate prediction model (FATE3D) to predict dioxin concentrations in the Tokyo Bay, Estuarine, Coastal and Shelf Science, Elsevier.Vol. 70, Issue 4, pp. 621-632, 2006. (P8) 市川哲也、江里口知己、中田喜三郎、堀口文男:数値モデルによる銅 ピリチオン(CuPT)の東京湾における生態リスク評価 −シナリオシミュレーションによるリスク評価の検討−、海洋理工学会誌 Vol. 12, No.1, pp. 1-14, 2006 (P9) 江里口知己、市川哲也、桃井幹夫、酒井 亨、中田喜三郎、堀口文 男:沿岸生態リスク評価モデルの開発 −瀬戸内海モデル−、海洋理工学会誌 Vol. 12, No.1, pp. 53-56, 2006 (P10) 江里口知己、伊東永徳、市川哲也、亭島博彦、中田 喜三郎、堀口文 男:東京湾における有害化学物質のリスクトレードオフの研究 -TBTから CuPTへの代替-、海洋理工学会誌 Vol. 13, No.1, pp. 21-33, 2008 (P11) 山本 譲司、酒井 亨、堀口文男:化学物質底泥蓄積モデルの伊勢・ 三河湾への適用、海洋理工学会誌 Vol. 13, No.1, pp. 1-12, 2008 (P12) Yamamoto J., Y. Yonezawa, K.Nakata, F. Horiguchi :Ecological risk assessment of TBT in Ise Bay, Journal of Environmental Management, Elsevier, Vol. 90, S1, pp. S41-S50, 2009 (P13) 伊東永徳、江里口知己、市川哲也、堀口文男: 数値モデルによる東京 湾の船底防汚塗料(銅ピリチオン)に対する生態リスクの軽減方法の検討、 日本マリンエンジニアリング学会誌、第44巻、第1号、pp.85-91、2009 (B1) 堀口文男:化学物質リスクの評価と管理、(産総研シリーズ)、丸善 株式会社、3.3海域モデル pp.162-173. ISBN4-621-07510-1, 2005 (B2) 中西準子、堀口文男:詳細リスク評価書シリーズ8 トリブチルスズ、丸善株式 会社、ISBN4-621-07704-X, 2006 (B3) 中西準子、堀口文男:詳細リスク評価書シリーズ10 銅ピリチオン、丸善株式 会社、ISBN978-4-621-07848-8, 2007 (B4) Horiguchi, F., K. Nakata, Y. Yonezawa, J. Nakanishi : Tributyltin (TBT) Risk Assessment Document, (独)産業技術総合研究所、 AIST07-A00001-1, 2007 (B5) Horiguchi, F., K. Nakata : AIST Risk Assessment Document Series No. 5, Copper pyrithione (CuPT)(独)産業技術総合研究所、 AIST07-A00001-5, 2007 。

平成19年度業績賞 平成20年5月16日表彰

業績

多様な水圏生物のバイオテレメトリー研究と学会運営への貢献

受賞者

京都大学情報学研究科バイオテレメトリーチーム

業績の大要

 京都大学情報学研究科バイオテレメトリーチーム(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻生物圏情報学講座)は、荒井修亮准教授を中心にウミガメ、ジュゴン、メコンオオナマズをはじめとした多様な水圏生物にバイオテレメトリーならびに音響計測などを応用して生態解明を行ってきた。その成果は海洋理工学会シンポジウム、一般講演ならびに投稿論文として海洋理工学会の発展に大きく寄与した。また、本学会が主催する大会、特に秋季大会の会場設営、企画・運営に主体的に協力しており、海洋理工学会への貢献が極めて大きいと認められる。よってここに業績賞を授与するとともに、今後とも本学会の発展に寄与することを期待する。

平成18年度業績賞 平成19年5月18日表彰

業績

長年にわたる海洋理工学会に対する貢献

受賞者

株式会社日本海洋生物研究所

業績の大要

 株式会社日本海洋生物研究所は、水域の環境と生物に関する調査・研究を目的として、1973年2月に設立された民間研究機関で、生態系の監視・評価・保全・修復にとりくんでいる。活動分野は、河川、湖沼から内湾・沿岸域、外洋までと広範囲である。
 民間コンサルタントであるが、学会発表、学術雑誌への論文投稿等、海洋生物の分析技術を使用した海洋理工学への業績が非常に大きい。特に海洋理工学会における活動は目覚しく、社会的貢献も大である。また、本学会の主催するシンポジウムや研究会の企画・運営に積極的に協力しており、海洋理工学会への貢献が極めて大きいと認められる、よって業績賞を授与するとともに、今後とも、本学会の発展に寄与することを期待する。

平成16年度業績賞 平成17年6月2日表彰

業績

衛星リモートセンシングの実利用システムの構築

受賞者

株式会社ビジョンテック

業績の大要

 株式会社ビジョンテックは、1997年9月に設立され、衛星リモートセンシングデータ情報利用システムの開発を行っている。特に、環境分野について、既存データに衛星リモートセンシングデータを組み合わせることにより、より付加価値の高い情報提供の可能なビジネスモデルの開発を行ってきた。
 これまでに、海面表層の衛星情報(水温、海色)から垂直分布(水温・クロロフィル-a)を推定するシステムの開発を行い、漁業ユーザに情報提供を始めた。
 また、防災分野として、各種災害情報(メディア、ビデオ、写真、音声、地図等)を統合し、簡単に検索し閲覧が可能なシステムを開発している。これは、災害時に提供される情報の提供元、その種類、変化の状況の把握の仕方等の教育、情報の更新等についての教育、運用も含めたシステムである。
 さらに、防災システムを応用して、陸域のモニタリングと気象データと組み合わせた、農業ユーザ向けの情報提供も可能になるため、この分野の衛星情報の開発を行っている。

平成15年度業績賞 平成16年5月14日表彰

業績

2COMPACTシリーズによる海洋計測器の小型軽量化への取り組み発

受賞者

アレック電子株式会社

業績の大要

アレック電子株式会社のCOMPACTシリーズ(メモリ式水温塩分計,水温水深計,電磁流速計,クロロフィル・濁度計等9種類)は,従来大型で高価であった海洋計測機器を、小型・軽量・高性能化し,かつ安価に提供できるようにしたものである。従来モデルに比べて体積比で1/20,重量比で1/20,さらに価格比を1/2とした。また,単に小型化しただけではなく,電源に交換自在のカメラ用リチウム電池を使用し,データ収録の状態をモニタできるLEDランプを設けるなど,観測時のユーザーの不安を解消する工夫がみられる。COMPACTシリーズの開発により,深海から陸水まで様々なフィールドでの観測作業が容易になった。出荷実績は4年間で約2,500台と急速に普及しつつある。海外からの評価も高く,出荷台数の約15%が輸出され,日本発の海洋計測機器の先鞭となっている。
モデル名 販売開始時期
COMPACT-CT(水温塩分計) 2000年12月
COMPACT-TD(水温水深計) 2000年05月
COMPACT-EM (電磁流速計) 2001年01月
COMPACT-CLW(クロロフィル・濁度計) 2001年07月
COMPACT-DOW(DO計) 2002年08月
COMPACT-WH(波高計) 2001年08月
COMPACT-LW(水中光量子計) 2003年05月
COMPACT-OPTODE(光学DO計) 2004年04月
COMPACT-STD(CSTD+クロロフィル・濁度計) 2004年05月

平成13年度業績賞 平成14年5月17日表彰

業績

2000m級投棄式塩分水温プロファイリングシステムXCTDUの開発

受賞者

関本道夫氏、須山 哲氏、遠藤和彦氏、小野寺誠氏
(株式会社鶴見精機)

受賞者が推薦に関わる仕事をした機関と期間

株式会社鶴見精機 (1998年4月〜2001年10月)

業績の大要

  J株式会社鶴見精機では、かつて1000mまで計測可能なXCTDTを開発し、世界のグローバルスタンダードとして認められるに至った。昨今ARGOフロート等2000mまでの塩分水温観測を目的とした海洋計測器がオペレーションに使用され始め、XCTDについても1000m以深まで計測可能な新モデル開発の要求が高まった。上記担当者らは、種々困難な技術的課題を、専用リードワイヤの製作、高度な信号処理技術などにより切り抜け、開発を完了した。深度精度を左右する落下速度を決定するための海上試験は、水産庁東北区水産研究所殿により実施され、塩分水温の測定精度についてもXCTDTと同等であることが実証された。尚、海上試験結果については、本年2月インドのゴアで開催されたIGOSS Task Teamの会合で株式会社鶴見精機より発表されている。
(株式会社鶴見精機 岩宮 浩)

平成12年度業績賞 平成13年5月18日表彰

業績

ディープ・トウシステム(深海曳航体)及び運用方法の開発とその応用、並びに専門知識の普及

受賞者

門馬 大和(もんまひろやす)氏
 日本海洋事業株式会社 海洋科学部部長
 (海洋科学技術センターより出向)
 生年月日 昭和21年5月12日

受賞者の経歴

昭和45年3月
慶応義塾大学工学部電気工学科卒業
昭和47年3月
 同 大学院電気工学研究科修士過程修了
 この間「微小ギャップの放電現象に関する研究」に従事。
昭和47年4月
海洋科学技術センター入所、海洋科学技術センター研究員
昭和57年7月
 同 深海研究運航室研究副主幹
昭和64年1月
 同 深海研究部1G研究主幹
平成7年10月
 同 深海研究部主任研究員
平成10年4月
 同 海洋技術研究部主任研究員
平成12年4月
日本海洋事業株式会社に海洋科学部部長として出向、現在に至る
研究・業務歴
  1. 有人海中居住実験「シートピア計画」(1972 - 1975)
  2. 経常研究「海中電流通信の研究」(1973 - 1976)
  3. 受託研究「低レベル固体廃棄物のモニタリングに関する研究」(1973 - 1983)
  4. 受託研究「ディープ・トウ(曳航式深海底探査システム)の開発」(1977 - 1983)
  5. 受託研究「水中音響測位システムの開発」(1977 - 1983)
  6. プロジェクト研究「ディープ・トウによる深海調査研究」(1982 - 1997)
  7. プロジェクト研究「深海底長期観測システムの開発」(1984 - 1997)
  8. その他
    • 相模湾初島沖に「深海底総合観測ステーション」を構築(1993)
    • 高知県室戸岬沖に「海底地震総合観測システム」1号機を構築(1998)
    • トライトンブイ腐食対策特別チームリーダー(1999 -)
    • マルチチャンネル音波探査システム機能向上グループリーダー(1999 -)
    • 「ナホトカ号」の探索(1998)
    • H-IIロケット8号機エンジンの探索(1999 - 2000)
    • 漁業実習船「えひめ丸」引き揚げ調査専門家ミッション(2001)
現在の業務
日本海洋事業株式会社海洋科学部において、調査船「かいれい」および「かいよう」による、マルチチャンネル音波探査(MCS)システムおよび海底地震計 (OBS)の運用とシステムの改善、観測技術員の教育等。

受賞者が推薦に関わる仕事をした機関と期間

海洋科学技術センター (1973年−2000年)

業績の大要(背景と内容)

JAMSTECディープ・トウ(深海曳航体)及びその運用方法の研究開発は、1973年から1983年にかけて行われた、旧科学技術庁原子力安全局の委託 研究「深海モニタリングシステム」及び「追跡調査のための深海底探索調査システム」の研究開発に端を発する。この研究開発は、水深約6,000mの深海底 に処分した低レベル放射性廃棄物固化体の健全性を目視観察による確認を目的とし、TVカメラ、スティルーカメラの光学機器とそれらの照明機器、固化体に再 接近のための音響測位装置、サイドスキヤンソーナー及びサブボトムプロファイラ、これらの観測機器を搭載する観察フレーム(曳航体)、それを吊下、曳航、 揚収するためのAフレーム及びジンバルシーブ、曳航ケーブル及び油圧ウインチ等から構成される。これらの研究開発、運用等に関わる主な業績の概要を列挙す ると次の通りである。
  1. JAMSTECディープ・トウ(深海曳航体)及びその運用方法の技術研究開発(ジンバルシーブ、ケーブル角等表示装置、揺止索、ディープ・トウド レッジ等)と、その技術の各種ROV開発に対する専門知識の反映。
  2. 日仏共同研究による北フィジー海盆における熱水の発見(1987年)及び沖縄トラフ伊平屋海凹における熱水の発見(1988年)。
  3. 相模湾初島沖における「深海底総合観測ステーション」(1993年)、高知県室戸岬沖における「海底地震総合観測システム」の設置及び観測 (1997年)。
  4. 日本海で沈没した「ナホトカ号」等の捜索・発見(1997年)。
  5. 科学技術庁振興調整費「ビーナス計画」における観測機器の展開等への貢献(2000年)。
  6. 自ら永年に亘って蓄積したサイドスキャンソーナーデータの解析技術を活用し、H-IIロケット8号機の捜索・発見に貢献(1999年末)。
  7. 学会、講演会等における講演。

推薦理由

放射性廃棄物の海洋処分は中止になったが、本研究で開発された技術及びディープ・トウ(深海曳航体)は、性能・機能向上を図りながらその後の深海調査に活 用され、1987年の北フィジー海盆における熱水の発見、1988年の沖縄トラフ伊平屋海凹における熱水の発見、1991年室戸沖の「滋賀丸」の探索、 1993年の相模湾初島沖に設置した長期観測ステーション、1997年の日本海で沈没した「ナホトカ号」の発見、2000年の科学技術庁振興調整費による 「ビーナス計画」における観測機器の展開等に貢献した。また、運用においては、自ら長年に亘って蓄積したサイドスキャンソーナーデータの解析技術を活用 し、2000年初頭のH-IIロケット8号機の捜索・発見に貢献した。また、この研究開発の成果は次に示すとおりであり、本学会主催のシンポジュウムにお いても数多く講演していただいた。
以上に述べたとおり、本業績は、ディープ・トウ(深海曳航体)の技術及び運用に関わる開発、これを用いることによる研究への貢献、専門知識の普及など広い 分野に亘っている。この業績を称えるため当該者を受賞候補者として推薦する。
(海洋科学技術センター地球観測フロンティア研究システム長 堀田 宏)

成果報告類

  1. 門馬大和、堀田宏、1980、トランスポンダの深海係留の運用上の経験、JAMSTECTR、Vol. 5、45-67
  2. 門馬大和、土屋利夫、堀田宏、1980、深海用トランスポンダの切離装置、JAMSTECTR、Vol. 9、67-74
  3. 門馬大和、堀田宏、1981、深海曳航のための船上曳航装置?ガイドアーム付ジンバルシーブおよびAフレーム、JAMSTECTR、Vol. 7、1-23
  4. Momma, H. and H. Hotta, 1983, Development of a Gymbal Type Sheave for Deep Towing, MTS/IEEE, Proc. OCEANS 83, Vol. 1, 270-273
  5. 門馬大和、堀田宏、1985、深海曳航データ表示装置、JAMSTECTR, Vol. 15, 1-10
  6. 門馬大和、堀田宏、1986、トランスポンダの深海係留および底曳き回収、JAMSTECTR、Vol. 16、1-14
  7. 門馬大和、大塚清、土屋利夫、堀田宏、1986、北西太平洋における人工物体の探索実験、JAMSTECTR, Vol. 17, 1-17
  8. 門馬大和、堀田宏、1986、地形調査における事前調査と潜航調査の比較、JAMSTECTR Deep sea Reseach, 1-10
  9. 田中武男、門馬大和、堀田宏、1986、「相模湾西部における海底溶岩流の発見」、第2回「しんかい2000」研究シンポジウム特集号 JAMSTECTR Deep Sea Research、21-33
  10. Momma, H., K. Ohtsuka, T. Tanaka and T. Ohara, 1987, Deep-Towed Sonar and Camera Observations at the Sunda Forearc Region, South of West Java, CCOP Technical Bulletine, Vol. 19, 89-105
  11. 門馬大和、堀田宏、1987、深海域における高精度測位について、月刊海洋科学、19、623-631
  12. 田中武男、門馬大和、松本剛、堀田宏、1987、日本海中部地震震源域における変動微細地形について、第3回「しんかい2000」研究シンポジウム 特集号 JAMSTECTR Deep Sea Research、233-250
  13. 門馬大和、田中武男、大塚清、堀田宏、1988、南太平洋海域(ソロモン海、ラウ海盆、ジャワ海溝)における深海曳航調査、JAMSTECTR、 Vol. 19, 1-25
  14. 門馬大和、松澤誠二、仲二郎、満澤巨彦、堀田宏、1988、3機種のGPS受信機の船舶における使用結果概報、JAMSTECTR, Vol. 19, 235-248
  15. Momma H., K. Ohtsuka and H. Hotta, 1988, JAMSTEC/Deep Tow System, MTS/IEEE Proc. OCEANS 88, Vol.4, 1253-1258
  16. Mitsuzawa, K., H. Momma, K. Ohtsuka and H. Hotta, 1989, Deployment of Long-Term Observation System by Means of JAMSTEC/Deep Tow System, MTS/IEEE Proc. OCEANS 89, Vol. 3, 820-826
  17. 門馬大和、橋本惇、田中武男、深海調査グループ、1989、沖縄トラフ深海曳航調査(DK88-2-OKN-LEG 1,2)速報、JAMSTECTR、Vol. 21、203-221
  18. 門馬大和、田中武男、橋本惇ほか、1989、北フィジー海盆の精密地形調査(DK-87-4-NFB)の概要、JAMSTECTR、Vol. 21、223-250
  19. 門馬大和、堀田宏、1989、深海曳航体用ドレッジと潜水船用サンプラの試作、JAMSTECTR、vol.21、251-257
  20. 門馬大和、仲二郎、松本剛、深海調査グループ、堀田宏、1990、伊豆・小笠原深海曳航調査(DK88-3-IZU)速報、JAMSTECR、 Vol. 23、219-236
  21. 門馬大和、深海調査グループ、堀田宏、1990、沖縄トラフ伊是名海穴における熱水活動の分布、第6回「しんかい2000」研究シンポジウム報告書 JAMSTECTR Deep Sea Research, 1-9
  22. 門馬大和、堀田 宏、大塚 清、橋本 惇、田中武男、松本 剛、仲 二郎、満澤巨彦、藤倉克則、1990、JAMSTECディープ・トウによる深海 曳航調査、上田誠也教授退官記念論文集 活動的縁辺域、号外地球、No. 3、226-230
  23. Momma, H., K. Ohtsuka and H. Hotta, 1990, Experiments for Finding Artificial Objects on the Deep Ocean Floor, Proc. INSMAP 90, 291-298
  24. Momma, H., T. Tanaka, J. Hashimoto H. Hotta and DSR Group, 1991, Deep Tow Surveys to Search for Hydrothermal Activities in the North Fiji Basin Rift Axis, Proc. STARMER Symposium, 37
  25. 門馬大和、木村政昭、青木美澄、深海調査グループ、堀田宏、1991、沖縄トラフ深海曳航調査速報(DK89-1-OKN-LEG 2)、JAMSTECR、Vol. 25、85-115
  26. 門馬大和、満澤巨彦、堀田宏、1991、駿河トラフの底層流観測装置は強い流れで流失したか?、第7回「しんかい2000」研究シンポジウム特集号 JAMSTECTR DSR、51-61
  27. Momma, H., K. Ohtsuka and H. Hotta, 1991, Searching Recovering and Placing Objects on the Deep Ocean Floor by JAMSTEC/Deep Tow, Proc. ROV '91, 186-189
  28. Momma, H., K. Mitsuzawa, T. Matsumoto and H. Hotta, 1992, Long-Term Sea Floor Observation in JAMSTEC, Proc. OCEANS 92, Vol. 2, 697-700
  29. 門馬大和、深海調査グループ、1992、駿河トラフ底の海底基準点の構築?DK90-1-SGM/SRGおよびDive472,576のまとめ、第 8回しんかいシンポジウム報告書 JAMSTECTR DSR、373-379
  30. 門馬大和、堀田宏、1993、水中測位の現状と問題点、海洋工学コンファレンス論文集、第7号、37 -45
  31. 門馬大和、堀内一穂、満澤巨彦、海宝由佳、1993、日本海溝三陸沖深海曳航調査、第9回しんかいシンポジウム報告書JAMSTEC DSR、Vol. 9、27-40
  32. 堀内一穂、門馬大和、満澤巨彦、藤岡換太郎、1993、日本海溝海側斜面におけるナマコと底層流、第9回しんかいシンポジウム報告書 JAMSTECTR DSR、Vol. 9、41-48
  33. Momma, H., K. Mitsuzawa, Y. Kaiho and H. Hotta, 1993, "Hatsushima" - Real Time Long-term Deep Sea Floor Observatory, Proc. Oceans '93, Vol.?, 473-477
  34. 門馬大和、満澤巨彦、堀田 宏、1994、深海係留の工学-係留系の回収率を高めるには、海洋工学コ ンファレンス論文集第9号−係留ブイ観測のサポートシステムテクノロジー、7-17
  35. 門馬大和、満澤巨彦、海宝由佳、堀田宏、1994、相模湾初島沖「深海底総合観測ステーション」の設置と長期観測、JAMSTECJ DSR、Vol. 10、363-371
  36. 門馬大和、満澤巨彦、海宝由佳、堀田宏、1994、深海底の長期観測、第12回海洋工学シンポジウム論文集、日本造船学会、213-219
  37. 門馬大和、満澤巨彦、海宝由佳、岩瀬良一、藤原義弘、1995、相模湾初島沖の深海底総合観測?シロウリガイ群生域の1年間、 JAMSTECDSR, Vol. 11, 249-268
  38. Momma Hiroyasu, K. Mitsuzawa, H. Hotta, H. Morita and T. Imamura, 1995, Laboratory Test and Field Evaluation of Electro-Optical Cable for JAMSTEC/Deep Tow, Proc. IEEE/MTS OCEANS 95, Vol. 1, 103-108
  39. 門馬大和、岩瀬良一、藤原義弘、満澤巨彦、海宝由佳、1996、初島沖における海底ケーブル式多目的観測システムとVENUSマルチセンサ、月刊海 洋総特集 海底ケーブル利用による多目的観測、28、4、247-252
  40. 門馬大和、白崎勇一、1996、VENUS計画におけるケーブル海底接続技術と海底作業、月刊海洋総特集?海底ケーブル利用による多目的観測、 28、4、224-230
  41. 満澤巨彦、門馬大和、宮本元行、青木美澄、海宝由佳、堀内一穂、1996、日本海溝陸側斜面における底層流・濁度の変動特性、JAMSTECJ DSR, Vol. 12, 35-44
  42. 門馬大和、藤原法之、海宝由佳、岩瀬良一、青木美澄、1996、高知県室戸岬沖深海曳航調査速報(K96-03-MRT)、JAMSTECJ DSR, Vol. 12, 175-193
  43. 門馬大和、岩瀬良一、満澤巨彦、海宝由佳、藤原義弘、網谷泰孝、青木美澄、1996、南西諸島深海曳航調査(K95-07-NSS)、 JAMSTECJ DSR, Vol. 12, 195-210
  44. Momma H. and H. Kinoshita, 1996, Recent and Future Developments of Deep Sea Research in Japan Marine Science & Technology Center, Proceedings ISOPE/International Deep Ocean Technology Symposium & Workshop, 5 - 8
  45. Momma Hiroyasu, H. Kinoshita, N. Fujiwara, Y. Kaiho and R. Iwase, 1996, Recent and Future Developments of Deep Sea Research in JAMSTEC, International Journal of Offshore and Polar Engineering, Vol. 6, No. 4, 11 - 16
  46. Ishisaki H., S. Imamura and H. Momma, 1996, Development of Electro-fiber Optic Cable Containing Metal Tube armored Fiber for Deep Sea Tow, Proc. 45th International Wire and Cable Symposium
  47. Momma, H., N. Fujiwara, K. Kawaguchi, R. Iwase, S. Suzuki and H. Kinoshita, 1997, Monitoring System for Submarine Earthquakes and Deep Sea Environment, Proc. MTS/IEEE OCEANS '97, Vol. 2, 1453-1459
  48. Momma, H., Y. Shirasaki and J. Kasahara, 1997, The VENUS Project - Instrumentation and Underwater Work System, Proc. International Workshop on Scientific Use of Submarine Cables, 103-108
  49. Iwase, R., H. Momma and K. Kawaguchi, 1997, Proc. International Workshop on Scientific Use of Submarine Cables, 160-162
  50. Kawaguchi, K., H. Momma, Y. Shirasaki and R. Iwase, 1997, Proc. International Workshop on Scientific Use of Submarine Cables, 169-171
  51. 門馬大和、木下 肇、1997、室戸沖海底地震総合観測システム、月刊地球、Vol.19., No.12, 747-756
  52. 門馬大和、川口勝義、岩瀬良一、田代省三、1997、VENUS計画における機器の接続と設置技術、月刊地球、Vol.19., No.12, 747-756
  53. 岩瀬良一、門馬大和、勝間田明男、高橋道夫、1997、VENUS計画における海底マルチセンサと津波観測、月刊地球、Vol.19., No.12, 747-756
  54. 門馬大和、川口勝義、岩瀬良一、満澤巨彦、青木美澄、1997、相模湾初島沖の海底変動地形調査(DK97-05-SGM)、JAMSTECJ DSR、13、375-393
  55. 門馬大和、藤原法之、岩瀬良一、川口勝義、鈴木伸一郎、海宝由佳、木下肇、1997、「海底地震総合観測システム」、JAMSTECJ DSR、Vol. 13、721-731
  56. 岩瀬良一、門馬大和、川口勝義、藤原法之、鈴木伸一郎、満澤巨彦、1997、相模湾初島沖「深海底総合観測ステーション」により観測された海底変動 現象?1997年3月伊豆半島東方沖群発地震に伴う海底混濁流、JAMSTECJ DSR、Vol. 13、433-442
  57. 岩井昌夫、門馬大和、1997、室戸沖南海トラフ海底長期観測ステーション周辺の曳航体カメラ観察:K96-09航海の結果、JAMSTECJ DSR、Vol. 13、521-533
  58. 藤原法之、門馬大和、高橋務、木下肇、1997、「海底地震総合観測システム」1号機の設置、JAMSTECJ DSR、Vol. 13、733-768
  59. 川口勝義、門馬大和、岩瀬良一、白崎勇一、1997、VENUS計画における海底作業システムの開発、JAMSTECDSR, Vol. 13, 769-775
  60. Kawaguchi, K., H. Momma R. Iwase, 1997, VENUS Project and a Submarine Cable Recovery System, Proc. 20th International Conference and Workshop on Applied Geologic Remote Sensing
  61. Momma, H., R. Iwase, K. Kawaguchi, Y. Shirasaki and J. Kasahara, 1998, The VENUS Project - Instrumentation and Underwater Work System, Proc. International Symposium on Underwater Technology, 437-441
  62. Kawaguchi, K., H. Momma and R. Iwase, 1998, VENUS PROJECT - Submarine Cable Recovery System, Proc. International Symposium on Underwater Technology, 448-452
  63. Fujiwara, N., H. Momma and K. Kawaguchi, 1998, Comprehensive Deep Seafloor Monitoring System in JAMSTEC, Proc. International Symposium on Underwater Technology, 383-388
  64. Kasahara, J., H. Momma and Y. Shirasaki, 1998, VENUS Project Overview: Multi-Disciplinary Geophysical Measurements at Ocean Bottom Using Dismission Submarine Cables, Proc. International Symposium on Underwater Technology, 389-394
  65. Kasahara, J., T. Sato, H. Momma, Y. Shirasaki, 1998, A new approach to geophysical real-time measurements on a deep-sea floor using decommissioned submarine cables, Earth, Planets and Space, 50, 913-925
  66. Momma, H., R. Iwase, K. Mitsuzawa, Y. Kaiho and Y. Fujiwara, 1998, Preliminary Results of a Three-Year Continuous Observation by a Deep Seafloor Observatory in Sagami Bay, Central Japan, Special Issue: Seafloor Observatories and Geophysical Networks, Physics of Earth and Planetary Interiors, Vol. 108, 263-274
  67. Momma, H., K. Kawaguchi, R. Iwase, 1999, A New Approach for Long-Term Seafloor Monitoring and Data Recovery, Proc. 9th ISOPE Conference, Vol. 4, 603-610
  68. 門馬大和, 2000, H-IIロケット8号機エンジンの探索と技術的課題, 海洋音響学会誌, 第27巻第3号, 30-38
  69. Momma, H., 2000, Deep Sea Technology at JAMSTEC, Marine Technology Society Journal, Special Issue on Deep Sea Technology, Vol. 33, No. 4, 49-64
  70. Momma, H., M. Watanabe, K. Mitsuzawa, K. Danno, M. Ida, M. Arita, I. Ujino, 2000, Search and Recovery of the H-II Rocket Flight No. 8 Engine, Proc. of the 2000 International Symposium on Underwater Technology, 19-23, Tokyo, Japan
  71. Momma, H., M. Watanabe, K. Mitsuzawa, K. Danno and M. Ida, 2000, Search for the Japanese H-II Rocket Flight No. 8, Proc. Oceans 2000 MTS/IEEE, 1115-1120
  72. 渡辺正之、門馬大和、2000、H-IIロケット8号機の捜索と回収-深海底の人工物体の捜索と回収、TECHNOOCEAN 2000 Proceedings, Vol. II, 327-332
  73. Watanabe, M, H. Momma, 2000, Search and Recovery of the H-II Rocket Flight No. 8 Engine, TECHNOOCEAN 2000 Proceedings, Vol. II, 327-332
  74. 門馬大和, 2000, H-IIロケット8号機エンジンの探索と技術的課題, 海洋音響学会誌, 第27巻第3号, 30-38
  75. 渡辺正之、門馬大和、2001、H-IIロケット8号機のエンジンの捜索と回収、JAMSTECR, Vol. 43, 115-124
  76. 門馬大和、2001,深海底探査技術の現状-H-IIロケット8号機の捜索、電子情報通信学会誌、Vol. 84, No. 4(印刷中)
  77. Momma, H., T. Aoki, K. Kawaguchi, 2001, Recent Progress of the Deep Ocean Technology in JAMSTEC, Proc. ISOPE 2001/IDOT (in Press)


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